アメリカザリガニがやばい!
……アメリカザリガニがやべぇ!
ザリガニといえば子供の頃に川や用水路などで、
スルメを餌に釣って釣って釣りまくっていた。
クイクイっと引く割り箸で作った竿が引くと興奮したもんだ。
真っ赤な大きなザリガニを捕まえたときには、ちょっとしたヒーローだ。
そんな真っ赤なザリガニの本名が『アメリカザリガニ』という名前だと知ったのは、
小2年のころに観たドラえもんの生き物紹介ビデオだ。
なんで日本にいるのに、アメリカがついているのだろうか。
「それはこのザリガニはもともとアメリカにいたザリガニなんだよ」
「じゃーニホンザリガニってのがいるのかな」
「日本のザリガニは負けちゃったんだよ」
そう言われたとき、「日本弱い! まけんなよ!」と今思えばとんでもねぇこと思ってたなと、少し反省。
タイトルにあるように『アメリカザリガニがやばい存在』だと知ったのは、
28歳になったときにいった水生生物博物館なるところに(正式名忘れた!)行ったときに、
アメリカザリガニの特設コーナーに足を運んだときだ。
アメリカザリガニは基本なんでも食う!
なんでも食いすぎて水性生物が駆逐されてしまう。
昔は全国にいっぱいいたメダカや水生昆虫。貴重なトンボの幼虫ヤゴ、そして本来日本にいるべきニホンザリガニさえも!
YouTubeでアメリカザリガニがでっかいトノサマガエルを捕食しようと襲う動画をみた。
背後からそーっと忍びよって真っ赤なでかいハサミでカエルの後ろ足を掴む!
カエルはなんとか逃げ出すが、あんなでっかいカエルを襲おうとするなんて、エビのくせになんて獰猛……。
その動画をみて、小さい亀を食っているアメリカザリガニを思い出した。
アメリカザリガニがいる池には水草が生えないらしい。
なぜならアメリカザリガニが全部刈り取ってしまうからだ。
食うだけじゃない。自分のテリトリーにある水草は邪魔だから自慢のハサミで切ってしまう。そして見晴らしを良くして獲物を狙うのだ。
水草がなくなると何が起こるかと言うと、水草と共存している水性昆虫や水草に卵を生むメダカなどが繁殖できなくなるのだ。
小学生のころ、僕は水性昆虫が大好きだった。
特にタガメやミズカマキリやタイコウチ、ヤゴといった肉食系の昆虫が好きだ。
だって図鑑やテレビしか見たことがなかったから。
『昔はたくさんいたよ~』
と自慢する父やおじいちゃんが羨ましかった。
まさか水性昆虫が居ない原因の一つがアメリカザリガニだったとは……。
僕の青春の一つなのに……。
でかいハサミで指を挟まれて皆に笑われたいい思い出もあるのに……。
でも、この原因を作ったのは日本に持ち込んだ僕たち人間だ。
まぁ、当時の人たちもまさかアメリカザリガニがこんなやばい生物だとは思わなかっただろう。そりゃそうだ、だってただのザリガニだもん。見た目ロブスターだし、食べたらうまいかもって思う。
実際うまいらしいけど……。
あ、けど食べないように!
人体に深刻なダメージを与える寄生虫がわんさかいるとのこと。
このアメリカザリガニ問題は何も日本だけじゃなく、世界的にアメリカザリガニが侵略しているとのこと。
なるほど……『アメリカ』という名前は伊達じゃないってことか。
子供に未だ人気なアメリカザリガニ。
いつの日かアメリカザリガニじゃなくて、ニホンザリガニを見てみたいものだ。
……僕はまだ、見たことがない。